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■ 近似正規乱数によるみかけ上の周期変動

乱数表(0から9までの数字をランダムに並べた表)から5つずつの乱数をとり、その平均値を算出する。その平均値の分布は
  平均値=4.5
  不偏分散=82.5/9
の近似正規分布に従う。←中心極限定理による。???(^^;)
実際の乱数表をもとに、この近似正規分布の例を発生させてグラフを描くと下図のようになった。一見、波動(周期的変動)が生じているように見える。
このような見かけ上の波動と谷川助教授の示す波動とは区別できないのではないか。
谷川助教授の示した図は、単に、0を中心とする誤差変動ではないのか。下図が4.5を中心とした誤差変動であるように。
乱数表の左の2列から順に5つずつ乱数をとり、その平均値を算出した。
 

■ 単純乱数によるみかけ上の周期変動

乱数表の数字を順に見ていって、奇数に+1、偶数に−1を与えてグラフに書くと、下図のようになった。ここでも、一見、平均値0の波動が生じているようにみえる。 乱数表の5列目を使って作成。
 

■ データの累積効果による長期波動

AとBの二人で次のようなゲームをする。
乱数表を引いて、奇数が出たらAはBから10円もらう。偶数ならその逆。この場合Aのふところに残る合計金額はいくらになるだろうか?

長くこのゲームを行った場合の合計金額の期待値は、0のはずである。ところが、実際に右の乱数表の1列目を使ってやってみると、Aのふところの金額は下図のようになった。つまりこの場合、Aは常にプラスの金額をふところにしていることになる。

累積効果により、長期波動を生じた結果である。

 

■ 最小自乗法の適用誤差によるみかけの周期変動

谷川助教授のデータ処理の過程で、データを放物線で近似している。近似に用いる曲線が妥当でないと、残差は見かけ上の周期的変動を示す。放物線での近似は妥当なのだろうか。
たとえば、右図のような二次曲線に無理に直線をあてはめると、残差は周期変動を示す。



乱数表の例

70 03 97 61 46
99 41 06 12 73
91 70 04 84 34
48 30 03 63 83
41 17 55 10 07

71 96 73 57 86
52 62 70 41 47
57 11 75 59 81
62 51 98 46 69
66 61 00 11 64

77 70 99 11 51
93 30 83 38 48
67 80 43 18 42
21 91 62 29 25
35 36 20 13 74

74 25 03 36 68
42 50 25 91 78
59 22 48 48 63
95 67 54 43 39
45 70 84 82 08

14 99 66 59 18
86 69 68 14 17
30 85 36 01 06
81 29 81 88 14
56 61 80 09 49

20 78 05 73 37
12 16 61 99 28
74 42 49 96 97
99 01 28 32 17
34 90 36 89 71

36 59 90 86 51
50 36 06 48 19
34 69 09 87 29
65 85 19 09 23
34 61 59 33 07

76 51 94 10 72
02 12 51 92 19
64 59 50 12 68
84 27 36 51 76
08 05 83 56 59

76 08 60 22 67
24 43 63 62 73
06 47 30 10 09
54 10 61 63 67
46 84 67 14 10

23 77 78 12 34
98 76 88 81 00
64 88 19 52 18
53 43 84 18 25
21 35 48 30 32




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