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第192回
「日本語の起源#1」


1.勝山古墳の報道について
木製品「3世紀初頭伐採」。古墳築造年代も3世紀前半にさかのぼる? と報道されたが疑問がいくつもある。

  • 木材と同時出土の土器(布留0式)の年代があわない。
  • 紫外線による劣化の程度で再利用の有無がわかるのか?
  • 年輪の状況で、再利用の有無が判断できるのか?

研究者の意図的な報告を、吟味もせずにセンセーショナルに報道するマスコミの姿勢も問題


2.日本語の起源

言語の系統の分析:文法、音韻、語彙の全てについて比較が必要。

日本語の文法上の特徴:
  • 主語−目的語−動詞の語順。   
  • 「て・に・を・は」がある。
  • 形容詞は名詞の前にくる。
日本語の音韻上の特徴:
  • 単語はだいたい二音節である。
  • 語の頭にr音が立たない。
  • 語の頭に濁音が立たない。
  • 濁音が少ない。
  • 語の頭に、二つ以上の子音(子音群)が立たない。
  • 二重子音(子音群)がない。
  • 重母音が本来なかった。
  • 単語は原則として母音で終わる。
  • rとlの区別がない。


文法と音韻の特徴をいろいろな言語と比較してみると、

日本語と
  • アイヌ語とは、はっきりと偶然以上の関係が認められる。
  • 現代朝鮮語とは、いちおう偶然以上の関係が認められる。
  • そのほかの言語の中では、アルタイ諸語が比較的似た特徴を持っている。



講演中の安本先生
           

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