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日本の建国 |
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大和朝廷と、日本国家の起源を考える 『日本書紀』は、神武天皇の東征伝承の前に、天照大御神(あまてらすおおみかみ)神話や出雲神話などを、かなりくわしく語る。 なぜ、これらの長い神話を語らなければならなかったのか。神武天皇の建国伝承には、史実がふくまれているのか。単なる神話なのか。あるいは、作り話なのか。 令和のはじまりに、日本のはじまりを考える。長浜浩明著『日本の誕生』の徹底批判収録。 |
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本書「はじめに」より |
『日本書紀』は、天武天皇の皇子の舎人親王(とねりしんのう)らによって撰上された。養老4年(720)のことである。今年(2020年)は、『日本書紀』が編纂されてから、ちょうど1300年目にあたる。 その『日本書紀』には、第一代の神武天皇が、南九州から出発し、東征して、奈良県の橿原市の地で即位したことを記している。西暦紀元前660年にあたる年の1月1日であるという。 大和朝廷は、このとき、始まったという。 この1月1日は、「旧暦」の1月1日である。これを新暦(グレゴリオ暦)に換算すると、2月11日となる。 明治時代のはじめから、第二次世界大戦の終結までは、この2月11日は、「紀元節」と呼ばれ。祝日となっていた。 第二次世界大戦が終ったのちの、1966年(昭和41)以後は、この日は、「建国記念の日」と呼ばれ、国民の祝日の一つとなっている。 この神武天皇に関する話は、どこまで信用できるものであろうか。西暦紀元前660年といえば、縄文時代か、弥生時代のころである。 西暦紀元前660年という年代は疑わしいとしても。神武天皇という人がいて、九州から出発して、奈良県の地域にはいり、大和朝廷をはじめたという話じたいは、歴史的事実にもとづくものであろうか。それとも、単なる神話・伝説・あるいは作り話に近いものなのであろうか。 この本では、そのことを、ややくわしく検討してみようと思う。 |
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