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年輪年代法 |
年輪年代法 |
樹木の種類や気象条件、害虫の発生などによって成長輪(年輪)の幅は年ごとに変動する。
年輪年代法とは、こうした年輪の幅の変化のパターンから年代を科学的に決める方法。 一定の地域内の樹木を調べて年代を1年単位で示した暦年標準パターンを尺度とする。これと遺跡の出土品や建築材料の年輪を照合すると年代が決まる。 20世紀初頭に米国で考案され、今では考古学だけでなく建築、美術などにも応用されている。日本の研究は1980年から進められ現在、スギ、ヒノキでは約3000年間の年代分析ができる。 奈良市の世界遺産・元興寺の国宝・禅室の部材が、この方法で582年に伐採された木材であると断定され、法隆寺五重塔の心柱を約半世紀さかのぼる現存する木造建築の部材では世界最古と分かった。 |
年輪年代法の信頼度と限界 |
年輪により年代を正確に定める技術は、統計学的に洗練さ
れており、高い水準に達している。得られた結果は、貴重
で、信頼できる。
年輪年代法による年代は、その木材の伐採された年を教えてくれる。 そして、遺構や建築物の築造時期は、使用された木材が伐採された年よりあとであることを教えてくれる。 これはこれで十分貴重な情報である。ただ、あくまで、遺構や 建築物の築造時期そのものを教えてくれるものではない。 築造時期の上限を教えてくれるものである。 そのため、使用木材の伐採年代と築造時期、あるいは再利用の時期とのあいだ に、ときに、数百年、場合によっては千年をこえる差の生ず ることがある。 |
再利用か否かを定める技術 |
再利用か否かを定める技術は、信頼性をもって発言できる段階になお達していない。
日本における年輪年代法の第一人者光谷拓実氏も、 「年輪年代法で得られた結果だけで遺跡の年代を決めることは慎重を要する。」 と、のべている。 |
邪馬台国問題への応用 |
邪馬台国問題は、あくまで、全体的な情報のなかで考える
べきである。
年輪年代法も、全体のなかに適切に位置づけるべきである。 どのような方法であれ、一つの方法にのみ重点をおきすぎ ると判断を誤る。 揚子江でも、ある一つの地点でのみ観測すれば、東から西 に流れているとみえることがある。部屋のなかでのみ考えれ ば、床は水平にのびており、地球は丸い、などとは思いいた らない。 邪馬台国問題は全デー タを総合的に考えなければならな い問題である。 |
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