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考古学のデータベース |
1.魏志倭人伝に記されているもののデータ
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■刀子 詳しいデータ >>
刀子は日常的な用途のナイフ・小刀のことで、出土数も多い。その分布は、倭人の鉄の使用状況をよく示すものである。 刀子は、畿内よりも、九州から圧倒的に多く出土する。福岡県では210本も出土したのに、奈良県では一本も出土しない。 |
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■絹 絹のデータベース >>
倭人伝には、倭人は養蚕を行い絹織物を作っていたと記す。 絹は、畿内よりも、九州からはるかに多く出土する。 奈良県に比べると、福岡県は圧倒的に出土地の数が多い。 時代ごとの分布を見ると、弥生時代に福岡地域で作られていた絹が、後の古墳時代になって、近畿など他の地域に広がったように見える |
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以上のように、『魏志倭人伝』に記されているもので、ほぼ、邪馬台国時代の遺跡から出土するものにかぎれば、奈良県には、ほとんどみるべきものがなく、福岡県と奈良県とのあいだには、圧倒的な差がある。 この状況は4世紀になると逆転する。 |
2.三角縁神獣鏡・古墳(魏志倭人伝に記されていないもの)のデータ
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■三角縁神獣鏡 詳しいデータ >>
三角縁神獣鏡は、4世紀の墳墓からしか出土していない。また、日本では500面以上出土しているのに、中国からは、1面も出土していない。 九州よりも、畿内のほうが圧倒的に出土数が多い。 奈良県から100面出土しており、福岡県からはその半分の49面が出土している。 |
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■巨大前方後円墳(80m以上)
巨大前方後円墳はの成立発展は、大和朝廷の 成立発展と結びつく。そして、三角縁神獣鏡は、しばしば、前方後円墳から出土し、その分布のようすは、巨大前方後円墳の分布とよく似ている。 三角縁神獣鏡が、大和朝廷の祭器として前方後円墳の発展に伴って普及したことを思わせる所以である。 |
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■巨大前方後円墳(100m以上) 詳しいデータ >>
5世紀になると、100メートル以上の巨大前方後円墳の築かれることがより多くなり、その分布のようすは、奈良県と福岡県の格差が大きくなる傾向にある。つまり、時代が下がるにつれ、福岡県にくらべ、奈良県の優位性が進むのである。 |
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3.空理空論の考古学 『季刊邪馬台国77号』より
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考古学のいわゆる主流派的な立場の方々の見解が、このごろおかしい。
『魏志倭人伝』には、倭人は、「鉄の鏃(やじり)」を使うと記されている。 表をご覧いただきたい。「鉄の鏃」は、福岡県から398個出土している。 奈良県からは、わずか4個しか出土していない。圧倒的な差がある。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
それでも、『魏志倭人伝』に、なんの記載もない「土器」の話などをもちだし、複雑な理論構成をして、「邪馬台国は、畿内説できまりだ。」などと主張する考古学者がいる。科学に必要な簡明さにおよそ欠けている。
いかなる矛盾にも目をつむってよいのであれば、どんな議論でもなりたつ。 さいきん、考古学のリーダー的立場の人たちの議論が、しだいに、信用できないものとなってきている。 奈良県の前方後円墳の発生は古いはずであるという思いつき、あるいは、思い込みによって、ほとんど目茶苦茶な議論をしている。 そこでは、証拠や証明なしでの断言やPRばかりが目立つ。 かくて、考古学者が考古学的な事実すらも無視する傾向が目立ちはじめている。空理空論の考古学というほかはない。 |
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