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三角縁神獣鏡 |
三角縁神獣鏡とは?
「三角縁神獣鏡」は「さんかくえんしんじゅうきょう」と読む人と、「さんかくぶちしんじ ゅうきょう」と読む人がいる。 三角縁神獣鏡は、縁の都分の断面が、突出して三角形をなしており、かつ、神獣の模様の 刻まれた鏡である。 『魏志倭人伝』は、魏の皇帝が、倭の女王に、「銅鏡百枚」を与えたことを記している。 京都大学教授であった考古学者、小林行雄や、奈良県立橿原考古学研究所所長の樋口隆康氏 らは、卑弥呼が魏からもらった鏡は、この三角縁神獣鏡を主とする鏡であろうとする。 しかし、三角縁神獣鏡は、100パーセントわが国から出土し、中国からは一面も出土し ていない。 また、三角縁神獣鏡は、畿内では、四世紀の古墳時代の遣跡からのみ出土し、邪馬台国時代の三世紀の墓からはまったく出土しない。 さらに、鏡の直径も平均22センチほどで、 中国でみいだされる後漢・三国時代の鏡よりも、はるかに大きい。 そのため、考古学者の森浩一氏、宮崎公立大学教授の奥野正男氏などは、「三角縁神獣鏡」は、中国から輸入された 鏡ではなく、わが国で作られた鏡であろう、と主張している。 関連情報 >> 画文帯神獣鏡とは? 三角縁神獣鏡とおなじく神獣鏡の一種。内区(内側の部分)に、神仏思想をあらわす神仏や、竜、虎などの霊獣を、 半肉彫で描き出した文様をもつ鏡。縁の部分が、厚く平らになっている(平縁)。三角縁神 獣鏡のように、縁が上にとがっておらず、上が平らである。 平縁部分に、画文帯と呼ぶ絵画的な文様帯をもつ。内区と縁との境界に、半円形と方形と を交互に配置した半円方形帯をもつものや、乳(円錐形の小突起)が神獣文の一部として環 状に表現された環状乳神獣鏡も、この鏡式に含まれる。画文帯神獣鏡のなかまに、画文帯仏 獣鏡がある。 ほとんどは、前方後円墳など、古墳時代の遺跡から出土する。 これまでに、日本から150面ていど、中国から80面ていど出土している。日本からの 出土数のほうが、はるかに多い。 日本から出土しているもののなかには、日本で作られたものがかなりあるとみられる。 中国では長江の流域など、南東部から出土することが多い。朝鮮の楽浪郡にあたる平壌な どからも、数は多くないが出土している。 関連情報 >> |
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